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【人事ニュース】思いを支えた「チームワーク」と「育児」
日本テレビ社長室 企画部
主席プログラムコンサルタント 大澤弘子

2019.06.24

日テレHRコンサルタントによるリレーインタビュー第5弾は、大澤弘子さんをゲストにお迎えしました。大澤さんは日本テレビの社員として、番組制作を25年担当してきました。また、国家資格キャリアコンサルタントを取得し、女性のキャリア支援も行っています。そんな大澤さんには日テレHRの強みだけでなく、女性のキャリア支援の在り方や会社のチームワームの改善方法についてお聞かせいただきました。

日テレHRへの思いを支える「チームワーク」と「育児」

――まず大澤さんが日テレHRに参画したきっかけ、背景をお聞かせください。

大澤:日テレHR自体は「学校を創りたい」という思いから始まったものです。その上で私が関わろうと思った理由は、大きく分けると二つあります。一つ目はテレビの制作現場で25年ほど番組プロデューサーをする中で芽生えた「チームワークへの興味」です。二つ目は私自身の育児の経験ですね。

――仕事とプライベートの両方にきっかけがあったのですね。

大澤:そうですね。一つ目の「チームワークへの興味」は25年間の番組制作経験の中で生まれたものですが、その中でも一つ象徴的な出来事をお話します。環境保持、エコロジーのキャンペーンの時に、NHKさんと初めて番組を共同で制作したんですね。外から見ると同じテレビ局に映るかもしれないのですが、カルチャーの違いがあるんです。とても驚きましたね。例えば、スタッフの呼び名、機材の呼び方という根本から違うんです。だからコミュニケーションコストがかり、お互い大変なこともありました。

――会議一つでも認識を合わせる労力が発生しそうです。

大澤:その通りです。そんな状態から「一緒に良い番組をつくろう」という思いが結実した時は、すごく楽しさも感じることができました。こういった経験から違う考えや文化を持つ人たちが集まる時に「上手くプロジェクトを進める方法を知っていたら役に立つのでは」と思ったのです。だから日テレHRの最初のコンテンツは、「チームワークの向上」というテーマで作りました。この経験がきっかけで私自身も変わりました。もともと心理学に興味を持っていたこともあって、キャリアカウンセラーやコーチングの勉強を始めましたね。

――理論も学ぶようになったんですね。

大澤:実践も理論もどちらも大切ですからね。そして日テレHRに関わろうと思った理由の二つ目は「育児」なのですが、これも私にとって大きな出来事でした。未来を生きる存在が家の中に実像として存在していると、「この子たちのために今、できることは何か」という思いが強くなるんですよ。

――自分だけでなく「子どものため」という思いも、日テレHRに向かったきっかけの一つなんですね。

大澤:この二つの思いは、良い影響を与え合っています。例えばチームワークに興味を持って学び始めたコーチングは、育児にもとても役立っています。コーチングを始めてから我が家の親子の会話の色味は確実に変わりました。子どもが好きなことを嬉しそうに報告するようになったり、うまく出来た達成感や失敗してしまったことも率直にたくさんしてくれるようになりましたね。

日テレHRのメソッドは、雇用形態も国籍も多様な組織のマネジメントを円滑にする

大澤:日テレHRも大きな特徴を持っています。私はテレビ制作に四半世紀ほど関わってきました。その中ではもちろん失敗もありましたが、失敗を糧にしながらチームワークや映像をつくる力を養ってきました。この経験を土台にしているので、人事の皆様や学校関係者の皆様とは異なる目線でお伝えることがあると思います。日テレHRならではの学校プログラムの開発や企業の人材育成のお手伝いができるはずです。

――実際にお客様からはどんな声をいただくことが多いですか?

大澤:映像制作の技術を駆使しているので「まるでテレビを見ているように分かりやすい」という声をいただきますね。実例として、BtoC向けにショップ型のビジネスを展開している企業様には、店長様向けの研修を実施しました。その職場環境には、パートのベテラン社員の方もアルバイト社員の方も、派遣社員の方もいらっしゃいます。雇用形態の違いだけでなく、国籍が異なる社員の方も今や大勢いらっしゃるんです。こういった「多様性のあるチームをどうマネジメントすれば良いのか」というご相談が増えています。

――考え方もモチベーションも違う社員の方が集まっているんですね。

大澤:そうなんです。こういった多様な環境こそ、テレビ制作の現場で培ってきたチームワークの経験と、「幸福学」を提唱されている前野隆司教授のお知恵を組み合わせたメソッドがお役に立てるんです。前野教授の「幸福4因子」に対して、日テレHRでは、チームの成果が出るために必要な4つの力を提唱しています。分類は【赤=情熱、青=創意、白=共感、黄=茶目っ気】です。「この4つの力はチーム力のベースです」とご説明すると、それぞれの力を職場でも意識できるようになるんですね。受講いただいた企業様からも「明日から早速、この4つの力を仕事に活かしていきます」といった声や「私は赤色の力(情熱)を発揮することが得意だとわかったので、赤い力でチームの役に立てるよう仕事していきます」といったポジティブなお声をいただきました。

――日テレが培ってきたチームワークの力というと、どういったものがありますか?

大澤:一つのテレビ番組をつくるのにスタッフが100人いるとします。その中では日テレの社員であるプロデューサーもいれば、外部のパートナー企業のメイクアップのプロ、スタイリストの方もいらっしゃいます。さらにはタレントさんもいますよね。こうなると利害関係がバラバラであるとも言える状況です。唯一の共通の目標は「この番組で視聴者に喜んでいただく。さらに視聴率も良い状態を保ちながら長く続く番組にする」ということです。この一つの目標に向かって、多様なメンバーが一致団結して番組づくりに向き合えるようにするメソッドが、日テレには蓄積されているのです。

――日テレの多様性に富んだ現場で培ったメソッドが、お客様に支持されているのですね。

大澤:はい、ありがたいことです。私たちは一番近くの社外パートナーとして、ずっと企業様により添っていきたいと思ってます。私は社員みんなが協力し、互いを認め合い、そして自分に出来ることを惜しみなく実行していれば必ず業績があがり、良い会社になると信じています。その単位は仲間同士、部どうし、課の連携、店舗どうしのつながりなど大小様々でしょう。どの単位でもお手伝いさせていただき、企業様ごとにお感じになられている課題に対して、お役に立てるサービスを提供することが理想の形です。

働く女性には「一対一で向き合う時間」が必要である

――日テレHRの中での大澤さんの役割はどんなものでしょうか?

大澤:今は日テレHRが始まって一年目ということもあって、何でもしています。細かい業務でいえば、打ち合わせに来られるお客様の入構手配から交通費の精算の仕事もしています。25年間の番組制作の中でも、最初はADとして何でもしてきましたから、その経験が活きていますね。こうして細かい仕事も一つひとつしていると、反対にこれからしたい仕事も見えてくるんです。その中で見えてきたことは「好きなことが見つからない」という人を減らしたい、という思いです。そのための最適な手段は、「1on1」でお伝えしていくことだと思っています。とはいえ、時間などのリソースも必要になることから、始めは研修という形で広くお伝えします。一人ひとりが自分に向き合う機会をご提供できればと思います。

――1on1が大切であるという考えは、どのように生まれたのでしょうか?

大澤:私自身はテレビ制作をしたくて入社して今に至るのですが、究極の問いとして「このまま定年まで番組をつくり続けて幸せですか?」と自分に問うてみると、自信を持って頷けなかったんです。

まだまだ女性が少ない業界ということもあって「どのように生きていくのが良いのか」と30代は結構、あれこれ悩んでいました。その時に、コーチングと出会ったり…。そういったきっかけもあって、「自分自身を深く知るお手伝いが直接できる『1on1』が有効なのではないか?」と思うように至ったんです。

――客観的に、そして丁寧に自分を見てくれる存在は貴重ですね。

大澤:特に女性は、固定観念も含め、30代で悩むケースが多いかもしれません。世間からは「何歳までに出産しないと後が大変だ」なんて言われることがまだありますし、産まれた後も、保育園に入れないとか、夫が転勤だとか、親が体調を崩すなど、難しい問題が山積みですよね。自分自身が、「子どもを産みたいのか、そうではないのか」と悩んでいるうちに、自分の本音を見失ってしまう方もいらっしゃいます。少しでも悩む人を減らすことに貢献できたら本望ですね。「1on1」にさらに日テレHRの特徴でもある映像の力を加えることで、多くの方に届く何かが発明できたらと思っています。

今社会に必要なのは「ヒューマンリレーション」

――女性のキャリア形成の他にも、大澤さんが課題意識をお持ちのものはありますか?

大澤:「社内の知識の伝承」というテーマにも興味を持っています。知識はマニュアルにしなくても、社内のリレーションが形成されていれば日常の仕事の中で文字にならない「暗黙知」も含めて本来は継承されていくものです。でも、実際はベテランさんは無意識に様々な知見を活かして仕事をしているので、後輩に伝えてくださいと言っても、「そもそも自分のノウハウが分からない」とおっしゃる方が多いのです。例えば「まずは、この仕事に必要な知見をを箇条書きにしてください」とお願いするのですが、まず上がって来ません。普段、意識せずにできていること=貴重な「暗黙知」なんですね。そんな時、私たちのような外部の人間が整理できれば、大きな価値になるのではないでしょうか。日テレHRならではの、番組制作で鍛えたインタビューや取材の「暗黙知」も活かせます。

――自分が当たり前にできていることを、人に教えるのは難しいですよね。

大澤:はい、ご自身では「当たり前」「無意識」の領域なので。社内のスタープレイヤーの多くが、最初は戸惑われます。日本企業では、実務のエース=プレイングマネージャーが多くて、どうしても育成に時間を割けないという課題も含んでいます。だから、どうしても、会社の業績の多くを一部のスーパーマンに頼ってしまう事態も起きやすくなってしまいます。スーパーマンではなくて「プチスーパーマン」が増えないと、日本自体が回らないのではないかという懸念も感じます。

――社内の良好な人間関係はどうすれば築けるのでしょうか?


大澤:一人だけの力では、人間関係はつくれません。チームで動く必要があるのです。日常的にできることは、小さいチームの中で「自分ができることは率先してする」、「仲間が力を貸してくれたら感謝する」という根本的なところなんですよ。それが忙しくなってくると置き去りにされて、自分ひとりで抱え込んだり、トラブル対応の手遅れにつながったりしています。人間関係がつくれていないために起きていることなんです。

――自分だけでなく、他者にも働きかけていくんですね。

大澤:ここは逆説的でもあります。まず「自分」が変わらないと、相手がいて成り立つ人間関係も絶対に変わらないんです。ただ、自分一人が「変わろう」と意識を改めると一週間は頑張れるでしょうが、一人きりで頑張る状況が続いたら一ヶ月後には疲れ果ててしまいます。だからチーム全体で始める必要があるのです。チームで起こす変化は、個人が起こす変化よりもはるかに早く会社に浸透しますよ。

――社内の人間関係はチーム単位でつくっていくのですね。

大澤:日テレHRもお力になれる部分がたくさんあります。もしかすると「テレビ局の現場は、そりゃ楽しいでしょうけど、うちは違うんですよ」というイメージを持たれる方がいるかもしれません。だから「楽しさをベースにした研修」というと誤解を与えてしまう可能性もありますけど、「楽しさ」は成果の出る人間関係や、個人の成長にとっても大変重要な要素だと、わたしは考えています。一回リセットする時に出来る「余白」や「隙間」こそ、次へのエネルギーや閃きに不可欠です。イノベーションや現状打破に繋がる力です。日テレHRは先程お話した「4つの力」の中の一つ、「黄色の茶目っ気」の力を大切にした研修設計を行っています。これは特徴的ですね。

――ふと気を緩ますことができたら、集中力も増しますね。

大澤:人事の方も肩の力を緩めることがあっても良いと思うんですよね。そもそも人事は大変な仕事ですし、そこに人手が足りない、離職率が高いという問題も発生しているのが今の日本です。数ある課題を「どうすれば改善できるか」と考える時、張り詰めてばかりでは行き詰まってしまいます。日テレHRを使って頂き、少しでもリラックスした視点に立ち戻れば、視界も広がり脳も体も柔らかくなり、新しいアイディアが閃く可能性があたります。また、「茶目っ気」によって会社の人間関係が円滑に回りだすと、イノベーションが起きたり業績が上がったりという経営に直結する結果も見えてきます。実は日テレHRの「HR」は「ヒューマンリソース」ではなく「ヒューマンリレーション」なんです。人間関係は、個人はもちろん、組織の成長や成果の最大化にとって最重要ポイントであると思っています。会社の人間関係の改善、チームワーク力の向上を検討した際に、「日テレHRにまず声をかけてみよう」と信頼していただけるようなサービスを全力でご提供していきます。

取材・執筆・撮影:佐野創太