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【人事ニュース】日テレ式成果を出す
チームワークとは
日本テレビ社長室 企画部
シニアプログラムコンサルタント 中村博行

2019.06.17

日テレHRコンサルタントによるリレーインタビュー第4弾は、中村博行さんに話をお聞きしました。中村さんは日本テレビの社員として、番組制作を25年担当してきました。とんねるずの生ダラ!の演出ディレクターや「笑点」のプロデューサー、「24時間テレビ」のチャリティーマラソンのプロデューサーなど、あらゆる種類の番組を担当してきました。中村さんに、番組制作の現場で培ったチームワームの大切さ、日テレHRが提供する価値、そして今後の展望まで幅広くお話していただきました。

「学校を創りたい」。日テレHRはこの思いから始まった

――まずは日テレHRが始まった経緯をお聞かせいただけますでしょうか?

中村:始まりは日本テレビ内の新規事業企画の募集でした。そこで私は「学校をつくりたい。それはビジネスベースでないといい学校は創れないかも」と思ったんですね。特に小学校です。小学校6年間のうちに「自分でやり切れる」ことを理論だけでなく、体感的に分かるような学校を創りたいという思いがありました。教育というとおこがましいのですが、「早めに体感した方が良いもの」はありますよね。そういった思いを社内に共有したところ、私一人だけじゃなくて仲間が増えていき、放送局として常に先駆者であり、そして懐の深い弊社が「挑戦してみたら…」ということで、新規事業として進んでいきました。

――「学校を創りたい」という思いから、始まったのですね

中村:ただ、学校をすぐにつくるのは難しいので、教育プログラムを考えることが第一ステップでした。そこからビジネスとして成り立つかを考えて、世の中のニーズとも照らし合わせることで今の日テレHRの形になっています。

――中村さんが「学校をつくりたい」と思ったきっかけは、どういったものだったのでしょうか?

中村:私は日本テレビに入社してから、25年間ずっとTVの番組制作に携わってきました。その中で、チームワークを築く力がどんどん鍛えられていくんですね。さらには「後輩に教える」という文化が日本テレビにはあることも分かってきます。私にも、先輩に教えられる機会が多くありました。この日テレのチームワークをメソッドにして「学校で生徒に感じてもらえたらどんなに良いだろうか」という思いが大きくなっていったのです。

――テレビ制作の現場でのチームワークは、教育にも活用できるものなんですね。

中村:テレビ番組は、一人ではつくれないものです。小さい組織でも20人、大きくなると100人になったり、24時間テレビほどになると、1000人単位でつくっています。その中でもうまくいくケースといかないケースがあるんですよね。そういった違いを近くで見ていると、人と人、もしくは集団と集団とのコミュニケーションの影響力が大きいことが分かってきます。日本テレビは日本初の民放であり、諸先輩方が民放初のチョモランマからの生中継や、当時の技術では非常に困難であった箱根駅伝の全区間生中継、24時間の生放送…など、常に先駆者的なことに挑戦してきました。こういった環境で生まれたチームワークを伝えていくことで、社会に広くお役に立てるのではと思いましたね。

会社も日本全体も求めているのは、テレビ制作現場に存在する「チームワーク」である

中村:日テレHRは、学生への教育だけでなく、社会人教育も行っています。それも学生からビジネスパーソンへ事業が移っていったという感覚はないんですよね。「組織で最適解を出すこと」は、子どもから大人まで万人に必要な能力なんですよね。詳しく申し上げますと「自分の頭で考えて自分で判断する。また他者が考えて判断したことを、きちんと聞いて受け止める。そして正しく表現をする個が集まって、組織としての最適解が生まれる」というプロセスは、年齢や組織形態を問わず必要な能力ですよね。さらには会社やビジネスの枠を超えて、社会生活を営む全般に当てはまることだと思い、大人の領域へも広げていきました。

――日テレHRに触れたお客様からはどんな声が届いていますか?

中村:現在は教育プログラムやコンサルティングサービスを導入していただいています。その中でも特に好評をいただいているのは、映像を使った表現、コミュニケーションの部分ですね。日テレには65年間のテレビ制作の実積があります。だから難しいことを分かりやすく、かつ飽きさせずに伝えるという部分は、日テレHRを選んでいただく理由になっています。

――日テレHRの映像の力は、一朝一夕で培ったものではないですよね。

中村:日テレHRの研修単体もさることながら、様々な人事の方のお困り事のお役に立てるようになっていきたいですね。組織を円滑に運営するために人を育てる支援も必要になるでしょう。そして、お客様が日テレHRを卒業していただくことを視野に入れています。円滑なチームワークが、社内の文化として広まるお手伝いができたらとも思っています。長期的には、そういったチームワークが円滑な会社になるようにご支援し、「他人や他社とは競争ではなく手を組む」という考え方を広めて日本全体を盛り上げていきたいですね。

「外部にいる人事」だから、制度も設計できる。

――日テレが培ってきたチームワークは、学校だけでなく会社や社会にも必要なものなんですね。

中村:社会に視野を広げると、「シェア」という概念が広まっていますよね。この共有という意味の言葉は、日テレも口に出して明確に意識はしていませんでしたが、開局してからずっと根底に流れているものだと感じます。例えば、ゴールデンタイムの番組は1週間で21番組のみです。そのため「ゴールデンタイムの番組を制作したい」と思っても、既存の番組が終わらないと新しい番組が放送できない状態にあります。すると「あの番組がなくなれば私の番組が放送できるのに」と考えてしまっても、不自然なことではありません。

――放送枠はどうしても決まってしまっていますよね。

中村:そうなんです。でも、日本テレビでは、創りたい番組がある人が、どこかの番組にうまく参画し、いきいきと活躍でき、創りたいことが実現可能であり、ゼロサムゲームにならずに、日本テレビ全体で盛り上げていく流れができているのです。だから「みんなが楽しく番組をつくれて幸せだ」という考え方が社内に広まっているんですよ。

――足の引っ張り合いではなく、会社全体で高め合えるのは理想の組織です。

中村:昨今のシェアや共有という概念は目立つ思想でもあるため、世の中全体がシェアの考え方で動いているような風潮もあります。しかし、厳しく見積もると9割ぐらいの会社や組織は、理想的に動いていないのではないでしょうか。例えば、1億の利益が出ている会社が翌年2億にするためには「競合他社からシェアを奪う」という戦略が自然に採択されているでしょう。しかし、シェアという考え方で本当に社会が動いているならば、会社同士が手を組んで利益を出して、共有する道もあるわけですよね。1億の利益が出ている会社が翌年2億にするために、同業他社3社と組んで、4社で8億利益を出して分ければ、各社2億の利益となります。でもなかなかそうはいっていないのが現状です。

――理想と現実の間は大きいんですね。

中村:働き方改革にしても、今の延長線上の考え方で労働時間だけを減らすことには限界があります。一方で、3人で一つの仕事に取り組むことで、それぞれ1人づつは半分の時間で終わらせることは可能だと思います。最終的には短い時間で成果を出し、みんなが楽しく働ける。そういった働き方改革の支援も日テレHRでしていきたいことの一つです。

――日テレHRは研修に限らず、制度設計も行っていくのでしょうか?

中村:制度設計まで携わらせていただくことが、日テレHRの本意でもあります。まずは研修やセミナーで私たちの考え方に触れていただきますよね。そこからは会社ごとによって人事の方の課題感も変わってくるはずです。そこで私たちが「外部にいる人事」として時はお手伝い役、時にはコンサルティングや相談役として提案も実行もすることで、お客様のお力になろうと考えています。伴走していくスタイルが私たちの得意な姿勢ですね。

日テレHRは、顧客と「伴走」していく

――日テレHRの「伴走していく」スタイルは、どのように導いていったのでしょうか?

中村:「お客様がすべて」と考えているから、伴走するスタイルを採用しています。実は、お客様自身も気づいていないお困り事があると感じています。例えば、私たちも頭が痛くて病院に行くと「原因は頭じゃありませんよ。実は腰の骨に原因があります」ということがありますよね。会社や組織も同じで、なかなか課題を抱えている当事者たちはその原因に気づきにくいのです。日テレHRも「外部から分析できる」という強みを生かして、客観的にお客様の組織の課題を分析・特定することで、解決するところまで一緒にいけるはずだと考えています。

――伴走のスタイルを一貫させつつ、今後はどのような展望を描いていますか?

中村:私たちは、本来は「仕事とはとても楽しいものだ」と思っています。そんな仕事へのポジティブな思いを持った人が日本全国に溢れているようになることが最終的な目標ですね。仕事というものは、試行錯誤の結果として誰かの役に立てて、お金という形で感謝をいただく。しかもゲームをクリアしていく感覚で達成感もある。良い意味で寝食忘れて没頭し、楽しめる仲間もいる。こうして考えると、仕事はやりがいに満ちているものなんです。「仕事は楽しい」という当たり前かもしれないけれど忘れられがちなことを、日テレHRを通じて広めていきたいです。

――日本の会社、組織のチームワークが良くなれば「仕事は楽しい」という考え方が広まりそうですね。

中村:組織運営はリーダーの大切な仕事の一つですよね。その中でも人事の意思決定は一か八かの賭けにならないようにする必要があると考えています。。絶対に勝算のある、もしくは絶対に負けない確信のある選択肢以外は絶対に取るべきだと考えます。でも、時には自分たちだけでは解決策が見つからなくて、一か八かの賭けに出そうになってしまうこともあります。そんな時に、私たちの「伴奏して一緒に解決していくスタイル」がお力になれるはずです。私たちは伝えることが得意でもありますしね。お客様とのチームワークを大切にしていきながら、お客様の力になりたいと心から思っています。

取材・執筆・撮影:佐野創太